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フィンローダのあっぱれご意見番 第140回「ブランド指向」

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前回は特集記事でUSBitというミニラジコンカーについて書かせていただいたのだが、 あまりにも本題に関係なかったので書かなかったことがある。 一体あの記事を書くのにいくらかかったのか、という話。

 

※ USBit は、ミニラジコンカーをコントロールする信号を発生する装置で、 USB でパソコンに接続して、パソコンで制御できるという優れもの。

新しく買ったのが、半田ごて。これは1000円しなかった。 半田ごて台が500円くらいのものだ。 デジタルマルチメーター。テスターなのですが、2000円程度。 電動ドリル。 これは箱に穴を開けるためだけに買ったのだが、 2000円程度。 電動ドリルの歯。 800円かな。

 

※ 昔はテスターといえばアナログで針が付いていたものだが、 今はそういうモデルのテスターの方が高かったりする。

ここまでは伏線である。 実はもう一つ、この記事のために買ったのではないのだが、 最近買ったものがある。 ニッパーだ。

  

なぜニッパーがネタになるのかというと、 このニッパーを買う決心が付くまでに、何年もかかっているのである。 もちろん、高級腕時計とかではなくて、たかがニッパーである。 決して何年も稼ぎまくらないと買えないような値段ではない。 具体的には、1万円ではちょっと足りない程度に過ぎないのだが、 ニッパーなんて、100円ショップでも買えるような工具なわけで、 わざわざ1万円も出すのはかなりの決断が必要になるわけだ。 何年もショーウィンドウの中に飾られているニッパーを見ていて、 欲しいな欲しいな~、と思い続けて、 ある日突然買ってしまった、 というのに数年かかったということだ。

 

※ もう一つ欲しいのが、毛抜き。 日本製で、メーカーというか、誰の作かは分からないのだが、 5000円~10000円程度のものである。

wirecutter

買ったのはリンドストローム社のもので、 要するにブランド品だ。 おそらく、それなりの実績を積んだ真のエンジニアだけが持つことを許される、 みたいなアイテムなのだろう。 しかし、買ったのはいいが、それを使う機会がないので、 爪を切るのに使っていたりしたというのが、何かおかしいなとは思っている。

§

  

ブランド指向かどうか知らないが、 私の機器はソニーの製品が多い。 メモリースティックが使えるということに連鎖した結果そうなったとしたら、 ハメられたような気がしないでもないが、 とにかくメーカーがソニーに偏っている。

 

※ デジカメで撮影したデータをVAIOのスロットに挿してコピーできる。

そろそろCD-Rにバックアップするのが大変になってきたので、 DVD-R を買ってみるか、と思ったのだ。 私の現在のメインのpcは、SonyのVAIOノート Zである。 ということで、安直な発想として、 SonyのDVD-RWドライブを買えば無難に接続できるだろう、と考えたのである。

もちろん、このドライブは簡単に接続できたが、 DVD-Rの場合、ドライブを接続しただけでは、目標の半分にすら到達していない。 つまり、ライティングソフトがなければ使えないのである。 実際、外付けドライブを買ったらライティングソフトも付属しているのが普通である。 このドライブにもソフトは付いてきたので、 早速それをインストールしてみることにした。 ところが、それが途中で異常終了してしまうのである。

まさかSonyのパソコンにSonyのドライブを繋いだのに、 付属のソフトがインストールできないなんてことは想定していなかった。 まあ確かにドライブは接続できることは出来ているのだが。 これでは、わざわざドライブのメーカーをSonyに絞った意味がないではないか。

このような場合に、まずメーカーのサイトをチェックするのが基本である。 バグフィックスされたバージョンが公開されているかもしれないからだ。 ただ、この場合、Sonyではなく、ソフトを作ったメーカーを見てくれ、ということになっている。 それは確かに道理ではある。 ところが、実際にアクセスしてみたら、凄いことが書いてあった。 そのメーカーは今月末でサポートを打ち切るというのだ。 それが11月29日のことだ。 土曜日だから、実質的にサポートが終わっていることになる。 もちろん、いきなり製品が終わったわけではなく、 何か契約上の問題で、別の会社に権利が移転したとかで、 今後はそちらのメーカーに問い合わせてくれとか、 そういう話なのだが。 この時点でちょっとイヤな予感はしていたのである。

ということで、とりあえず移転し先のメーカーに対策を質問してみようとすると、 サポートを受ける前にユーザー登録してください、とサイトに書いてある。 まあそれも当然の話か。 と思って、ユーザー登録ページに住所氏名とか電話番号とか諸々のことを書いて登録ボタンを押したのである。 ところが、この情報が登録確認のメールでそのまま送られて来た。

  

もちろん、ユーザー登録ページはSSLを有効にして、暗号化した状態で情報を送っている。 自宅から接続した場合に、どの程度の危険度て情報が盗み見られるかは分からないし、 それもかなり低いものではないかと思うのだが、 それにしても、平文のまま送信するようなバカなことはしていない。 ところが、その内容をおもいっきり平文のままメールで送り返されては、 折角暗号化した情報が、世界中にだた漏れ状態になってしまうわけである。 セキュリティの教科書でも見れば、 個人情報を暗号化したフォームで受け取った場合には、 その内容を確認メールに書いてはいけない、という常識が書かれているはずだ。 中にはそれすら守れないセキュリティ感覚の欠如したメーカーがあるという噂は聞いていたが、実際にそれに当たったのは初めてなので、 これにはかなり驚いた。

 

※ 確認メールにパスワードをそのまま書いてくるようなサイトがあるが、 こういう相手は2つの意味で信頼しない方がいい。 1つは本文に書いたように、盗聴の可能性がある平文のメールにパスワードをそのまま書くというのは、セキュリティ感覚が欠如していることを意味する。 もう一つは、パスワードのようなデータは、そのまま記憶しないで、非可逆な変換を行ってから認証サーバーに記憶するのが常識だ。 これによって、 悪意を持った社員等がパスワードを盗むという事件から守ることができる。 言い換えれば、そのような対処をしていない企業は、 悪意を持った社内の人間がデータを盗んだときにパスワードも盗まれる危険がある。

しかし、文句があるとすれば、 インストールできないという現状をまず何とかすることが先決だろう。 とりあえず、こういう状況だと知らせて返事のメールを待ってみた。 すると、これがまた素晴らしい返事が返ってきた。 ダウンロードし直してみてくれというのである。 こちらは、製品に添付されているCD-ROMからソフトウェアをインストールしようとしているのである。 どうやらアップデート用のパッチのダウンロードに失敗したとでも思ったらしい。 アップデート用パッチは、まず製品をインストールしないと上書きできないのである。

そこでさらに問い合わせてみたら、そういう現象があるにはあるらしく(実際ここにあるわけだが)、どうすればいいかかなり細かい手順書いたメールがやってきた。 それは多分、サポートを受けた経験のある人なら想像できるような内容だったのである。 つまり、 デフラグをしてみろとか、Windows Update をしろとか、ウィルス検出ソフトなどを止めておけとか、そういうことばかりで、 それはそれで確かに正しいアプローチかもしれないが、そのようなことはこちらでだいたい既に試しているのである。 そしてトドメが、それでもダメなら、pcを購入した状態にすればインストールできるかもしれない、というのだ。

  

今更OSを最初の状態に戻して、Windows Updateどころかアプリケーションも全部入れなおしている手間を考えたら、 DVDのライティングソフトをショップで買った方が絶対にいい。 ということで、このメーカー以外の製品で、何か評判がいいソフトはないか、 調べている最中なのである。 たかがDVDを焼くというのも、結構難しいものだと思う。

 

※ 結局使っているのは Drag'n Drop CD+DVD というソフトである。

§

ブランドとは関係ないのですみません、というネタなのだが、 Webで紹介したが、16代前にご先祖様は何人いたか、という話。 これは元は新聞の広告特集に出ていた内容から来ているのだが、 例えば単純に1代前は2人と考えて、これを倍倍していけば、 16代前で65536人になる。 だったら32代前にはご先祖様は4294967296人いて、 64代前だと18446744073709551616人いたことになる。

このジョークは言うまでもない、 何代かさかのぼると、必ず重複したご先祖様が出てくるのである。 それを無視しているからこのような無茶苦茶な数字になってしまうのだが、 では本当は16代前のご先祖様は何人いると考えられるのだろうか?

計算しやすくするために、問題を猛烈に単純化しよう。 まず、各世代の人口は2000万人固定として、男性1000万人、女性1000万人、この世代から男女2人がペアになり、その二人から男子1人、女子1人が生まれて次の世代になるとする。 また、世代間をまたいだ関係はないものとする。 さらに、血縁の距離は考えないことにする。 つまり、現実の社会ではあまり近い親戚とは結婚できないが、 計算を簡単にするために、そういうのもアリとする。

これで16代とか32代前のご先祖様を計算しようというのだ。 もちろん、この前提だけでは極端な話、2人ということもあるのだが、 確率的に最も高くなるのは何人なのか。

  

これを数学で解くのではなく、プログラムでシミュレーションしたらどうなるのか。 興味のある方はやってみて欲しい。 ポイントは、1000万人という人数に対する状態をどう表現するかにあると思う。 1000万人というのは、だいたい10M人ということである。 ちょっと前だと悩んだかもしれないが、 そういえば、ふと気付いてみると、 long でメモリを使ったとしても40MBという程度のメモリは、 今時のpcならたいした量ではないという時代になっているのだ。 私のVAIO ノート Z だと、メモリは1GB搭載してある。 そんなに使うのかというと、コミットチャージが512MBを超えることがあるから、 まあ多すぎるということはないようである。

 

※ そういえば、全然解いてない。

(C MAGAZINE 2004年2月号掲載)
内容は雑誌に掲載されたものと異なることがあります。

修正情報:
2005-05-10 注釈追加版を公開。
2006-03-01 裏ページに転載。

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