Phinloda のいつか聴いた曲

King Crimson - Cadence And Cascade

もう一曲、King Crimson の In the Wake of Poseidon から、Cadence And Cascade

プログレというのを知らなかった私をこの世界に引きずり込んだ曲の一つが、多分これである。当時は歌謡曲か日本のフォークしか知らないような人間だったから、これは一体何だと凄く気になった。この曲だけ聴いたらフォークっぽい感じがしないでもないが、この違和感は何だろう。

そして気になったのが歌詞である。一体何を歌っているのだろうか。今だとカスケードという言葉は違和感なく捉えることができるが、当時、カスケードという言葉が分からなかったし、cadence というのは尚更である。あるサイトによれば、Cadence と Cascade は対をなす概念で、cadence は規則正しいこと、cascade は不規則、カオスを象徴しているらしい。そしてこのようなバランス感覚がこのアルバム全体のテーマになっているという。

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courtesan がこれまた分からない。こんな単語は高校生だと手に負えないのも当然だが、フランス語から来ている単語らしくて辞書には高級売春婦と書いてある。そこまで調べてもまだこの行の意味が分からない。続く行に they と出てくるのは何を指してるのだろう? courtesan は単数形だから違う。Cadence と Cascade のことだろうか。him は Jade で、神のことだというのだが、ここも Jade が実は本当に just a man だったのか、それとも they がそう見誤ってしまったといいたいのか分からない。

でもまあそういうのは、どうでもいいことだ。なぜならこの曲は言葉で語れるようなことを語っているのではないと思うからである。言葉で理解しようという所ですでに罠に嵌っているに違いない。

曲は左チャンネルのギターの伴奏から始まる。単純にして真似しようとしたら同じような音がどうしても出ないアルペジオ。1番のサビからドラムとベースが入る。そのまま1番の終わりまでギターとドラムとベースとボーカルだけで行ってしまって、間奏でピアノが唐突に入る。構成としてはジャズだ。歌詞を紹介したところの Sad と They はコーラスになっている。つまり、ここはこの歌の核心なのだろう。一通り歌が終わった後でフルートのソロが入って、最後はリフレインでエコーの中に消えながら締めくくる。シメのところの just a man の後にピアノがガンという感じでコードを強めに叩くのが何かを言いたげな感じがして気になってしまう。

参考

Eros and Strife ~ Cadence and Cascade

※このページは Yahoo!ブログに投稿された内容を転載・編集したものです。オリジナルの URL は https://blogs.yahoo.co.jp/phinloda/27124176.html です。

2011-01-28 02:44:22 JST

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